侍エンジニアのqiita問題を振り返ってみる
侍エンジニア塾は2015年のサービス開始から実績を伸ばしているプログラミングスクールとして人気の高いスクールですが、現在に至るまでには過去に炎上問題もあったようです。
現在は炎上につながった問題も改善に向かっており、サービスの質の向上を図っているようですが、受講に興味がある方にはどんなことがあったのか気になる方もいると思います。
ここでは、侍エンジニア塾の炎上問題について振り返ってみたいと思います。
景表法の違反の問題
過去の炎上問題の1つに「景品表示法の違反があった」ということがあり、この問題はツイッターでのあるツイートがきっかけで拡散されることになりました。
うーん…。
侍エンジニア塾さんのこの表示方法って、法律的にアウトなんじゃないんでしょうか…?
常に一週間後の表示😰プログラミングスクール等も少し興味あって見ていたのですが><
なんだか色々ともやもやしてます…。 pic.twitter.com/5YW7oQlwjc— みや@ひよっこプログラマ🐥 (@mi_yamya) 2018年10月12日
ツイッターで指摘があったことで、Qiitaやtogetterといったまとめサイトなどで取り上げられるようになり「景品表示法に抵触しているのでは」との声が広がっていきました。
この問題について詳しく見てみると、侍エンジニア塾の公式LPに記載されているキャンペーン期間が「今しかない」とうたっているにもかかわらず「常に(常時)」行われているものだったということが、景品表示法に抵触するとのことでした。
キャンペーン期間はJavascriptで公式LPをユーザーが開いたその時点から1週間後の日付が自動で表示される仕組みになっており、一見「今しかない」キャンペーンに見えつつ実は「いつでも」キャンペーン期間ということになっていたようです。
なぜ炎上に繋がったのか
侍エンジニア塾にこの指摘があり、この段階で適切な対応を取っていれば大きな炎上にはならなかったのかもしれませんが、ここでさらなる炎上に繋がったのには理由がありました。
それは、明らかに故意におこなった虚偽表示を「誤表記で間違えた」と表現しているとこがさらに炎上した要因となったようです。
虚偽表記を誤表記と表現して、火に薪をくべるかのごとく炎上を加速させているように見えてならない。これぞ本当の炎上商法(ただし誰も得しない)
https://corp.sejuku.net/apology/— 米村歩@日本一残業の少ないIT企業社長 (@yonemura2006) 2018年10月15日
景品表示法違反の指摘が入り、謝罪を発表した侍エンジニア塾側ですが、このツイートにあるようにあくまで「誤表記」としたことがさらに炎上に繋がってしまいました。
景品表示法に抵触する表記は有名サービスでも過去にある
過去には、公式ホームページや公式LPで景品表示法に抵触する表記があったのは侍エンジニア塾の他にもありました。
- GMO:「今なら無料」を半年継続していた問題
- アディーレ法律事務所:「今だけ」と記載していたキャンペーンが常時行われていた問題
いずれも消費者庁から景品表示法違反(有利誤認)で措置命令が出され改善措置を取るように命じられています。
こうしてみると侍エンジニア塾だけに関わらず、他の企業でも全くないとはいえない問題ではありますが、侍エンジニア塾での問題が大きく炎上してしまった理由はさらに他にもあったようです。
さらなる炎上に繋がった「誤表記」以外の理由
謝罪した際に「誤表記」としていたことの他にも、
- 「問題後すぐに社内総会で盛り上がっているブログ記事が上げたこと」
- 「返金保証を希望しても受けられない人が多い」
- 「ブログで紹介している言語の関数例が明らかにおかしい」
といったことが炎上を加速させてしまった理由のようです。
炎上中に社内総会で楽しむ社員の記事をアップさせてしまった
問題が起こっている最中、事態に収拾がつかない状況で社員が楽しそうに盛り上がっている社内総会のブログ記事をアップされたことがユーザーの気持ちを逆なでしてしまうことになってしまいました。
誰も止める人はいなかったのか、体制はどうなっているのかなど、様々な声が上がりさらに炎上してしまったようです。
返金保証が受けられない受講者が続出
さらに、別のところでも「返金保証が受けられない」「返金保証なんて嘘」という声が多く上がっていたことも炎上騒動にさらに熱を加えることになってしまいました。
まとめサイトや知恵袋といった質問サイトなどでも取り上げられ、返金してもらえなくて困っているという声が多く出てきました。
裁判に至ったケースはないようですが、裁判になると受講料が返ってくるどころかさらに費用と裁判期間がかかるので、裁判を起こすケースはなかったようです。
現在は返金保証についてもレッスン開始後の2週間以内の申請で返金を受けられたという声も多く、返金保証についても改善されたようですが、サービス開始からしばらくの間は「返金保証が受けられない」という声も多かったんですね。
現役エンジニアからみてC言語サンプルがやばい
侍エンジニア塾で紹介されているC言語のサンプル(mallocの使い方)を見て、エンジニアの方から「この例はいろいろ問題があるのでおかしい」と指摘されていたこともあったようです。
entity->str = (char*)malloc(sizeof(32));
sizeof(32)
が何を返すか理解していないと思う。
32はint型だ。
これはsizeof(int)
と同じで、処理系にもよるけど、大抵のパターンは4が返ってくるんじゃないかと思う。
つまり、4バイト分のメモリしか確保していないんですけど、大丈夫?(大丈夫じゃない)仮に32文字分のメモリを確保したいとしたら、
entity->str = (char *)malloc(sizeof(char) * 32);と書けば良いかと思う。
あと、メモリ確保に失敗することもあるので、戻り値のNULLチェックはしたほうがいい。いや、するべきだ。最後に・・・
間違いは誰にでもある。
コード憎んで、人を憎まず。
技術系の記事って検証に検証を重ねないと怖いですね。
多くのブログ記事をアップしている侍エンジニア塾ですが、実用性の低いサンプルを掲載した記事をアップしていたことも炎上を大きくしてしまった要因となりました。
知識のあるエンジニアの方から見ると公開されている内容に対して指摘する内容も少なからず出てくると思います。
以前はこういった様々な問題もありましたが、現在は景品表示法のことも含めて改善されてきているようです。
キャンペーン表記についてソースコードまでチェックできたか
景品表示法に抵触したこの問題では、Javascriptに常に1週間後の日付が入る記述があったことが要因ですが、ここまで把握するにはソースコードをチェックするしかありません。
キャンペーンの表記については「社長も知っているはず」なので「誤表記」という表現はいかがなものか?という声もあるようです。
しかし、キャンペーンの表記について社長がチェックしたとしても、Javascript内のソースコードまでチェックしているとは考えにくいという面もあります。
集客のためキャンペーンを行っている企業やサービスはたくさんありますが、こういった事例から見ると、社内のチェック体制、問題発生後の改善体制はどうしていくかをしっかり検討し、適正な表示を行うことが大切ということなんですね。
DMCA問題
DMCAとは米国の著作権を守るための法律で、著作権者が複雑な手続きを行うことなく、削除申請を行うことができることを定めた法律です。
侍エンジニア塾でDMCA問題が取り上げられているのはなぜかというと、自社に不利な情報を掲載しているブログ記事をDMCAを利用して削除しようとしたことがあったためです。
(著作権違反という名目で不利な内容を消そうとしたことが問題となっている。)
侍エンジニア塾では、先ほどご紹介した景品表示法に抵触することを指摘した方のブログをDMCAを利用して削除申請をしていました。
侍エンジニア塾、流石だなぁ…。
前の自分のブログ見て「著作権侵害だ!」ってGoogle検索に引っかからないように申立してる。https://t.co/jclSAKFM6B
いわゆる都合の悪い記事を隠蔽する逆SEOですね。
そもそもWebで公開していた内容を引用してるのに著作権違反て…w
すぐこういうことするもんなぁ。 pic.twitter.com/oC3eLV5WLc— 井上慎也@TechCommitメンバー募集中 (@ino_dev) 2018年10月23日
著作権違反というより自社にとって不利益になる情報を消そうと、DMCAによるブログの削除申請をしたことが問題となったようです。
このDMCA問題についても、侍エンジニア塾だけでなく過去に他の企業やサービスでもありました。
DMCA問題は他サービスでも過去にある
著作権を守るための削除申請ができるDMCAですが、DMCAを利用して「自社に不利益になる情報をネットから消そうとした」というDMCA問題は過去にもあります。
過去にDMCA問題として取り上げられた企業、サービス例には、
- ウォンテッドリー社(ビジネス向けSNSサービス)
- 株式会社Hi-Bit(プロバイダサービス)
といった企業があります。
いずれのサービスも、自社の悪評が記載されたブログをDMCAによる削除申請、Googleで表示されないようにしたということが著作権違反という理由ではなく「悪評隠蔽ではないか」ということが問題となったようです。
DCMAは著作権を守るためにある法律ですが、自分にとって不利益となる悪評を削除するという本来の目的と異なる使い方をしている企業、サービスがあることが問題となっています。
これは現在も続いている問題で、悪用しようと思えばいくらでも削除申請できてしまうので、悪用する企業・サービス、個人が増えることが懸念されています。
GoogleのSearch consoleを利用すれば削除申請が分かる
自分のブログやWebサイトがDMCAによる削除申請があった場合、何か分かる方法があると助かりますよね。
その方法として、Googleのサービスの1つであるSearch consoleを使って検知することで削除申請があったかどうか知ることができます。
Search consoleではサイト上で起こった問題を検知して通知してくれるサービスなので、削除申請があった場合は同様に教えてくれるということなんですね。
自分のサイトが削除申請が行われていないかチェックしたい方はSearch consoleを活用するのも1つの方法です。
侍エンジニア塾が意図して申請したかは不明
侍エンジニア塾で過去にDMCA問題があったことをお話ししましたが、ここで注意しておきたいことは侍エンジニア塾自体が悪意を持って消そうとしたのかは分からない、ということです。
間に広告代理店が入っている場合、侍エンジニア塾自体だけの判断ではなく第三者の判断が入るため、侍エンジニア塾が悪意を持って申請していたかといわれると確実とはいえない面もあります。
景品表示法違反、DMCA問題などで問題が発生すると侍エンジニア塾ではその都度謝罪文を掲載しているので、全く何も対応していないというわけではありません。
(もちろん、それだけでは済まされないという声があるのも確かですが)
表から見るとDMCA問題も全て侍エンジニア塾自体が行ったように見えるので、「許せない」「最悪」という方も多いようですが、実際にはDMCA問題についても侍エンジニア塾自体が行ったのか、広告代理店などの第三者が行ったのかは分からない面があり、侍エンジニア塾自体が悪用したと明確に判断できないという見方もできます。
現在は問題を改善、インストラクターの質も高評価
侍エンジニア塾ではさまざまな問題で炎上してしまった過去がありますが、現在は改善されており問題はありません。
サービス開始から急速に成長、大きくなった企業であることから、広報担当の力不足と言わざるをえない面がありますが、景品表示法違反、DMCA問題によって侍エンジニアの全てが悪か?といわれると問題がまったく違うことは認識しておく必要があります。
インストラクターの質は非常に高いと前から言われている
侍エンジニア塾では先ほどご紹介したような炎上問題が取り上げられることも多いですが、一方でインストラクターについては評判が高いという良い面もあります。
以前、侍エンジニア塾で働いていたという方も炎上問題については侍エンジニア塾の対応、体質について疑問視する一方で、インストラクターの質は高いことをお話しされています。
ちなみに、誤解のないように言っておくと…
マンツーマンを担当しているインストラクター(メンター)はほぼ全て外部の業務委託エンジニアで、こちらの方は結構レベル高い人は多いです。
社員としてお仕事されている方や代表も意識が相当高く、皆さんものすごく勉強家で優秀です。
出典:INODEVLOG古巣の侍エンジニア塾(株式会社侍)の炎上について思うこと
サービスのアピールの仕方、問題が起こった際の広報担当などの対応で炎上騒動が起きてしまいましたが、実際にレッスンを担当する講師はフリーランスエンジニアの方や質の高い講師の方が在籍しているということですね。
初心者向けのプログラミング学習サイト「ウェブカツ!!」とも比較され、「同じオンライン学習ならウェブカツのほうがおすすめ」という声もあります。
ですが、侍エンジニア塾はインストラクターの質は高いこと、やはりマンツーマン指導なので「挫折しにくい」という面が大きなメリットです。
現在は先ほどお話しした炎上騒動に関する問題も改善され、講師の質も高いと評判のプログラミングスクールということで侍エンジニア塾を選ぶ方も多いようです。
侍エンジニアを検索に表示しないように除外する方法
プログラミングやその他ITスキルに関する検索を行うと、上位にいつも侍エンジニア塾が出てきて、知りたい情報が埋もれて分かりづらい、ブロックしたいけど困っている、正直うざい・・・という方も多いようです。
ここでは、Googleなどの検索サイトで侍エンジニア塾や特定のWebサイトを検索結果から除外する方法についてご紹介していきます。
検索結果に常に侍エンジニア塾が上位に出てきてしまうと困っている方はぜひ参考にしてみてくださいね。
除外方法
特定のWebサイトを検索結果から除外する方法をここでは3つご紹介していきます。
除外方法にはこういった方法があります。
- 検索方法を変えてみる
- Chromeの拡張機能を使う「Personal Blocklist」
- FireFoxのアドオンを使う「Personal Blocklist(FireFox向け)」
検索方法を変えてみる
Webサイトを検索する際に、検索窓に入力する方法を変えて検索する方法です。
検索するときに、検索キーワードの後に除外したいWebサイトのURLを入れて検索するとそのサイトを除外して検索することができます。
「検索キーワード -site:example.com」
具体的にどういうことかというと、Google検索で見てみるとこういう感じになります。
ここでは「C言語 学習法」の検索に、「-site:example.com」を入れて特定のWebサイト(-site:example.com)を含めないで検索するということになります。
Chromeの拡張機能を使う
Webサイトの閲覧にGoogleの「Chrome」を使っている方はChromeの拡張機能を使う方法もあります。
「Personal Blocklist」という拡張機能を使って、先ほどと同じように特定のWebサイトを除外して検索することができます。
拡張機能を使うメリットとしては、検索窓にその都度除外するURLを入れなくても良い、ワンクリックでブロックリストに追加できる、というメリットがあります。
画像引用元:Google検索で見たくないリンク先を除外する方法
検索結果の赤線部分をクリックすると、ブロックリストに追加できるので使い方も簡単です。
デメリットとしては、インストール、設定を行わないと利用できない、サービスを終了する可能性があるという点ですが、一度設定しておけば除外するURLを入れる手間が省けるので便利です。
FireFoxのアドオンを使う
Macを使っている方はWebサイトの閲覧にFireFoxを利用している方も多いと思いますが、FireFoxにもChromeと同様に「Personal Blocklist(FireFox向け)」というアドオンがあります。
FireFoxのみ利用できるアドオンですが、Chromeと同様に特定のWebサイトを除外するのに簡単に使えるツールなので便利ですね。
こうしてみると、検索するときに簡単な方法で特定のWebサイトを除外して検索することができるんですね。
ChromeやFireFoxの拡張機能をインストールしなくても検索時に「-site:example.com」(除外するWebサイトのURL)を追加するだけで検索結果から除外できるので、気になる方は一度試してみてくださいね。